日本一有名なお米『魚沼産コシヒカリ』はやっぱり日本一おいしい??
その答えはNOです。
魚沼産コシヒカリを取り扱っているのに何をいっているんだという話ですが。事実ですので。
魚沼産コシヒカリの中でも特に出来の良かったものをよりすぐれば毎年日本一おいしいのかもしれませんが、魚沼産コシヒカリという広いくくりで言うと違います。
当然ですが、有名であることとおいしいということは全く違うのですが、有名であることがおいしさをプラスするということはあると思います。
たとえば日本一有名なブランド米である『魚沼産コシヒカリ』と聞くと当然ただのコシヒカリよりおいしそうに感じると思います。
では有名無名に関係なく本当に日本一おいしいお米となるとそれは一体何になるのでしょうか。
日本一美味しいお米は毎年変わる?
魚沼産コシヒカリだから間違いなくおいしいというわけではないということをこのお米のコラムでも何度か書きましたが↓
【これぞ本物の魚沼産コシヒカリ!という魚沼特A地域の中の最高峰を味わうために】
お米の品質というのは生産者や天候によって変わります。
日本一美味しいお米は毎年変わるということです。厳密に言えば食べる人の好みにもよりますが。
当社は魚沼の中でも特に評価の高い『塩沢』という地域のお米のみの魚沼産コシヒカリを取り扱っているのですが、実は昨年の完売時にもまだ塩沢のコシヒカリを仕入れることができたのですが、食味に納得ができなかったため仕入れずに完売とさせていただきました。
産地と品種ではおいしさを断定できないのです。
当然魚沼産コシヒカリに限らず他のすべてのお米の品質は、場所や生産者そして気候などにより毎年変化する可能性があります。
日本穀物検定協会による食味のランクづけにもあるとおり、同じお米の品種で同じ産地であれば毎年同じ食味評価になるというわけではありません。
特Aだからおいしいわけではない?
特AやA、A’などのお米の評価というのは実はものすごく広い範囲の産地のお米に対して評価をします。
そのためいくら特A評価を連続で受けているお米でもとれる場所や生産者の管理が悪ければ食味が悪いことも当然あるため一概に特A評価を受けているから間違いないとは言いづらいのです。
魚沼産コシヒカリが初めて特Aをのがした年に関しては例年と変わらない出来だと思ったのになぜだろうといった現地の声が多かったのですが、それだけ『魚沼産コシヒカリ』というくくりでは評価が難しいということになります。
そして、日本穀物検定協会の公式ページにあるように食味ランクは以下の方法で決められています。
『お米の食味試験のランクは、複数産地のコシヒカリのブレンド米を基準米とし、これと試験対象産地品種を比較しておおむね同等のものを「A’」、基準米よりも特に良好なものを「特A」、良好なものを「A」、やや劣るものを「B」、劣るものを「B’」として評価を行い、この結果を毎年食味ランキングとして取りまとめ、発表しています。』
とある通り、食味ランクは『相対評価』となっているのです。
つまり、複数産地のコシヒカリのブレンド米の出来が悪ければ全体の評価が甘くなるしその逆もあるということになります。
今年は新潟県全域でお米の出来が良くはなかったのですが、基準となるブレンド米のレベルが低ければ特A評価をとりやすいということになります。
毎年日本一美味しい!というお米は難しい
今や日本各地でブランド米が育てられていますが、ブランド米の王様とも言える魚沼産コシヒカリだから日本一おいしいとは言えません。
ブランド米はおいしく育ちやすいということで、ブランド米といえど毎年最高レベルにおいしく育つというわけでは決してありません。
毎年日本一レベルで美味しいというのは難しいとは思いますが、おいしく育ちやすいというのは事実で、なんらかの良い評価を受けてきたお米は毎年出来は違えどおいしく育ちやすいのです。
お米の食味というのは全国各地のお米を食べ比べるとわかりますが、その年によって変わるものですし細かく言えば人によって好みもあります。
おいしく育ちやすい理由として産地や品種、生産者があるのですが毎年日本一美味しい!というお米を定めることはできません。
お米の食味はその年によって変わる。
そのため毎年日本一おいしいというお米を定めることは難しいということを書いてみました。