おいしい魚沼産コシヒカリは産地や生産者では選べない!?
比較的おいしいお米になりやすい『コシヒカリ』という品種。
今や全国各地で作られ、中でも魚沼産は特においしいと評価されています。
嬉しい限りです。
そしてその魚沼産の中でも特においしい地区があることと、更には生産者によって出来が違ってくるということが徐々に消費者の方々にも認知されてきたことは感じます。
品種と産地、そしで生産者の努力によっておいしさは安定しますが、
毎年間違いない!とは必ずしも言えないのが本当です。
それは気まぐれ者の『天候』というどうしようもない強敵との戦いがあるからです。
それでは本当においしい魚沼産コシヒカリに出会うにはどうしたらいいのでしょうか。
美味しい魚沼産コシヒカリは毎年変わる
新潟県新発田市で2019年11月14日に開かれた『新発田のおいしいお米コンテスト』。
83人の生産者がエントリーし、誰のお米かわからない状態にして審査をした結果…。
見事第一位『金賞米』を受賞したのは標高の高い集落の津田修一さんという方でした!
津田さんもまさかとびっくりされたとのこと。
私たちの地域、南魚沼に関しても2019年度は標高が高い場所のお米が一等米となりやすい結果となりました。
しかし南魚沼に関しては毎年標高の高い場所のお米の出来が一番いいというわけではありません。
たまたま今年は登熟期に猛暑日が続き、さらには台風のフェーン現象が重なるというめったにない気候。
そのため標高の高い涼しい場所が比較的良かったという結果でした。
お米の出来というのは同じ品種・産地・生産者でも天候によって変わってしまうということです。
一等米だから美味しいわけではない
お米の美味しさの一つの目安としてお米の等級というものがあります。
ただ、この等級というのは味ではなく見た目と水分量の評価なのです。
お米を目視で確認し等級を付けているのです。
それでも等級がいい方がおいしく炊き上がる傾向があるためおいしさの目安の一つとして考えていいと思います。
ちなみに令和元年産 新潟県のコシヒカリの等級は2019年11月15日時点で発表されている情報で
1等米20.8% 2等米 66.5% 3等米11.8% 規格外0.9%
と、一等米はごくわずか。
こんな状況は何十年に一度あるかどうかですが、そんな状況のなかでおいしい魚沼産コシヒカリを探すのは容易ではないと思います。
一般の方が一等米と評価を受けた農家さんを見つけ出し、そこから買うなんていうことができればいいですが…なかなか難しいですね…
また、一等米と二等米をわけて販売している農家の方やお米屋さんはほとんどありません。
そして大切なのはお米の等級というのはおいしく炊き上がりやすいという味の『目安のひとつ』にすぎないだけで、味を判断する『明確な基準』にはならないという事です。
等級とはあくまで見た目の評価であるため、同じ等級でも田んぼの場所や生産者が変わると味や食感、舌触りなどが違うのです。
実際に一等米の魚沼産コシヒカリでも味はいまいち優れないなんてことは普通にあるのです。
都度、味を確認している業者かどうか
産地や生産者だけでは美味しさを確定できない。
そうなると大事になってくるのが、都度味を確認して販売をしている業者かどうかという事です。
前回買ったら美味しかったのに、今回買ったら味が、んん??
といったことが極力ないように味や食感、舌触りのバランスを確認・調整して販売しているかどうかが大切になってきます。
令和元年のように気候が特殊な年は特にですが、
植えた時期が違えば田んぼによって出来が変わってきますし、そもそも田んぼによって性質が様々なため同じ農家さんが育てても品質を一定にするのは非常に難しいのです。
初めは出来が良かった田んぼのお米が届き、2回目は出来が比較的悪かった田んぼのお米が届いたとなると食べた購入者は「あれ??」となります。
そのため最終的には人間の舌で確認をしながら味のレベルをなるべく均一にして販売しているかどうかは大切だと思っています。
日本のトップブランド米である魚沼産コシヒカリにも質のばらつきはあります。
そのなかで美味しい魚沼産コシヒカリを安定した品質で提供するのは運もあり非常に難しいことであるため、都度品質を確認して提供しているこだわりをもった農家さんやお米屋さんから買うというのが一番安定して美味しい魚沼産コシヒカリを手に入れる方法だと思っています。